本年10月に山口市で開催される第43回技能五輪全国大会(通称・技能オリンピック)は、これまで42回の実績を重ね、競技職種も機械加工、コンピュター、土木技術、菓子製作など多岐にわたり、ものつくり日本の未来を担う若者の登竜門となっています。
今回から本大会に、東京大学大学院の浜野保樹先生のご尽力もあり、新たに「アニメーター職種」が加わることになりました。課題および審査検討委員会のメンバーとして大塚康生、沖浦啓之、神村幸子、富沢信雄、百瀬義行、が選任され、昨年9月から討議を重ねた結果、アニメーターとして期待される能力を端的に表わすことの出来る課題を本大会のために用意することとなりました。
通常アニメスタジオなどで新人を採用する場合、「絵」が上手に描けるかどうかで採用、不採用を決定するのが常識となっています。しかし絵が上手なだけでは動かして演技させるための資質としては不充分なのです。アニメーターに求められる「技」と「能力」はまず簡単な線を使って、【舞台(レイアウト)】と指定されるキャラクターの【演技(原画)】を描いてみせることからはじまります。アニメーターの仕事は数段階(レイアウト・原画・動画・クリーンアップなど)に分かれていますが、ここではまずもっとも望まれる演技想像力を競います。一見簡単なようですが前もって練習してくることが必要となるでしょう。
そこで審査検討委員会では例題を事前に公開して参加される皆様にその課題意図を理解していただき、自分なりに練習して大会に臨めるようにいたしました。一般にアニメーターを志望する人は、ともかくもキレイな絵を描こうと努力すると思いますが、ここではきれいなキャラクターを描こうとしないで、デッサンをするつもりで、その人物のプローポーションを保持したまま、指示される演技を想像し画面に展開することにつとめて下さい。
審査委員一同、参加される皆さんの力作に期待しています。頑張って下さい。
|