請求書の書き方 と 消費税についての問題
 
 請求書の書き方

個人で仕事を請け負ったときは、発注会社に請求書を出します。出さないといくら待ってもギャラをもらえません。
ここでは個人で出す請求書の一般的な書き方を説明します。

基礎知識    
どの請求書を使うか 文具店で売っているふつうの複写式請求書でいいです。下記参照。



縦型でも横型でも使いやすいものでOK。「合計請求書」というのは別物なのでそれを買わないようにしてください。
東映やトムスなどには「専用請求書」があって会社から請求書が1冊支給されます。それを使って書いてください。

〆(しめ)について 「しめ」というのは請求書の提出期限のことです。「うちは20日〆の翌5日払いです」と制作さんが言えば、20日までに請求書を出すと翌月の5日に作画料が振り込まれるということです。

翌月の5日に振り込んでもらいたい、もらわないと困る(´Д`;)というときは請求書の〆を忘れないようにしましょう。

請求書というのは仕事量が確定してから(つまり仕事が完成してから)提出するのが原則ですが、〆は20日で作画アップ日が22日というような場合、制作さんが気を利かせて「あとで調整することにして、先に請求書出していいですよ〜」と言ってくれることがあります。生活に必要なら厚意に甘えさせてもらってもいいでしょう。

各社の決まり 平成17年(2005年)より「下請代金支払遅延防止法」が情報成果物(アニメーション)にも適用されたため、作打ち段階で制作会社から「注文書」が送られてくるようになりました。(大手だけと思います)

この「注文書」を請求書に添付する必要のある会社、または注文書に書かれている「注文書番号:○○○」を請求書に記入する必要のある会社(シンエイなど)もあります。各社それぞれの決まりにあわせて請求書を書いてください。

請求書は保存しておく 振り込み確認のためにも数年間は保存しておきましょう。たま〜に振り込みが忘れられていることもある(゚д゚) のでチェックは必要ですね。



書きかた実例   
 

@ 請求先会社名、または個人名
A
自分の住所氏名、捺印
電話番号の欄がないときは、書かなくてもいいのですが、書いてあげればより親切
B
自分の振込先口座番号
「普通口座」であれば、わかるように必ず(普)などと記入
C
作品名、話数、仕事の種類など
枠内に書ききれない場合は、ほかの欄に書いていいです
見る人がわかるように書いてあれば大丈夫。作品話数や仕事内容ごとに分けて書きます
D
数量、単価、金額
「金額」欄が「金額(税抜・税込)」となっている場合、その「税」とは消費税のことです
図解Gのように、別枠で消費税を計上する場合は「税抜」に○をつけます
わからないときは制作さんに書き方をを聞いて下さい
ベテランは各社や状況による違いについてわかっていると思いますが、通常「1カット、4,000円」と 言われた場合、それが消費税込みの金額だと思って下さい(詳しい説明は下にあります)
電話番号の欄がないときは、書かなくてもいいのですが、書いてあげればより親切
E
金額 数量×単価で計算
F
小計 この図解では消費税抜きの合計金額を記入してあります
G
消費税
一般社会では、消費税は図解のように外税で書くのが一般的です
しかしアニメーション業界では個人には消費税を支払わない会社が多いです
したがって「税込」に○、消費税は「0ゼロ」と記入せざるを得ないことが多いです
H
合計 小計金額+消費税=合計金額となります
納品日付  記入欄があっても、日付を特定しづらい場合が多いので、書かなくて大丈夫です。

アニメーターがギャラに消費税をつけてもらえない理由

アニメーション業界では消費税が導入された当初から、個人からの請求には消費税を払わず、その分を会社の利益にする方式がなんとなくスタンダードになっています。

最初の消費税は3%でしたから、もともと収入の少ないフリーのアニメーターにとってそれほど気になる金額ではなかったということもあったのでしょう。「消費税を付けてほしいのねん」とアニメーター側から言わなかったことが、今現在、そして今後問題になっていくでしょう。

次回の消費税増税で消費税は10%に上がります。
そうするとある程度の収入があるアニメーターにとって、消費税分をもらえるかもらえないかは、気にならないと言ってはいられない金額になります。
月収が20万円なのか22万円になるのかは、けっこう大きな違いでしょう。

 アニメーション業界の制作部、経理は長い間、消費税について以下のような立場を取って来ました
制作会社は、下請けの株式会社や有限会社の作画スタジオ等には消費税を払っています。これは会社というものが法人税法で経理をするため、消費税を払わないわけにはいかないからです。

しかし、ほとんどの会社が、個人には消費税を払っていません。

なぜ消費税を払ってくれないのかといえば、おそらくそれは、当事者であるアニメーターたちから、なんの文句も言われてこなかったからだと思います。

「消費税を付けるのは会社からの請求だけなんだよ。個人は該当しないよ」と制作や経理に説明され、「そうなんですか」と鵜呑みにしてしまうアニメーターたちの不勉強さにもある程度の問題はあるでしょう。

そうはいっても、税法に詳しいはずの経営者や経理が、「相手がくれと言わない金を、わざわざ払ってやる必要はないよね」と考えているとしたら、それはいささか情けないというか、せこい(^^;)のではないでしょうか。

ちなみにアニメーション業界以外で仕事をしてみると、個人への支払いに消費税を外税で付けてくるのが社会の常識だとわかります。雑誌にイラストを描いたり、イベントで講師をした場合などですね。

アニメーション業界が非常識なのです。


なおこのサイトの主催である神村は、請求書には必ず外税で消費税を請求します。まれに請求したままの金額を振り込んでくる会社もあります。しかし、ほとんどの会社は、請求書を出した本人になんの連絡もないまま、当然のように消費税分を引いた金額を振り込んできます。

請求書の金額より少ない金額に黙って変えて振り込みをするなんて、常識で考えたらあり得ないことです。
一般社会なら、大問題になりますね。

神村の場合、税務署に相談の上、外税で消費税を加えた請求書を提出しています。

とはいえ、税務署の説明および対応は税務署員により様々で
「消費税を払わないのは税法上の違反行為です。会社名を教えて下さい。経理部に行政指導します」
という方もいれば
「そこは力関係になるでしょうね。消費税は内税だと言われるケースもありますよ。1000円でしていた仕事が、消費税が上がってもおなじ1000円のままというのは、実質的に一方的な賃下げをしてきているということになり、商道徳的にも、税法的にも問題のある行為だと思います。しかし、それでも仕事をもらいたい、という状況が存在することも確かです」
と、現実的な説明をしてくれる方もいます。

「わたしは必ず消費税をもらっています」と教えてくれたフリーアニメーターもいます。
アニメーター側がどのような対応を取るかは、自分次第だということですね。

消費税分をスルーされた場合、神村は担当プロデューサーや経理に電話して
「最初に内税と聞いていないから、消費税分をちょうだい。収入が安定しないアニメーターにとっては大きな金額なのよん」とお願いします。

このとき多くの会社がする説明は
「個人の場合、2,000万円以上の収入がある人だけしか消費税を払う必要はないと決まっている。2,000万円以上の収入があることを証明する文書を提出したら、消費税を払います」・・・というものです。

いや、あのね、そのような税法は存在しませんから。税務署に確認しました。

しかもこの説明では、「原画料の消費税は外税です」と認めていることになりますよね。
消費税は、収入額に関係なく払わなければなりません。というより、アニメーターなんて収入少ないんですから、消費税分くらい払ってあげてほしいのことよ。

神村は制作会社に交渉して、消費税分をほとんどの会社からもらっていました。
「特別に払うから、他の人には言わないでね」といった会社もあります。
特別なことじゃないのに〜(^◇^;)

消費税が5%から8%に上がったまさにその時期に、同じテレビシリーズを続けていて、1カットの原画料が変わらなかった人がほとんどでした。それ、おかしいのですよ。

本来なら黙っていても、消費税額3%分だけ、原画料が上がるはずです。
こういうあからさまな状態に遭遇することはめったにないと思います。

そういうときくらい
「消費税上がったから、ちょっとだけ原画料もあげてほしいのねん」と制作さんにお願いすることは、力関係がどうであれ、まったく問題はないと思いますよ。



































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